【d!】心まで、透明化してよ (ページ33)

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33話ページ33

Aの治療は何時間にも及び
無事に終わったが彼女が目を覚ますのは

実に、3日後のことだった

───
食堂

kn「無能がまだ目ぇ冷めんらしいで」
ut「ええねんええねん、そのまま目を覚まさなければええ」
kn「…」

ut「…あ、あいつらも思っとるやろ」
ut「む、無能やし死んでもええって」

ut「《無能なんて、助けんでええ》って、」
kn「…せやな」

静かになった食堂。Aに対する
ヘイトは少なかったらしい。

食堂なのに、構わずタバコを吸える

でも美味しくはなかった

───
医務室

zm「…A…」

3日経っても起きひん
包帯だらけの、ツギハギ
A、…A…

zm「ショッピくんから聞いたで、守ったんやってな」
zm「お前を傷つけてきたヤツを、守るとか…おかしいやん」

Aの手は、小さい。
半年前より、小さくなった気がした
彼女の隈は酷かった、消えない傷も
多かった。

彼女は、ずっと耐えてきた

俺らを、守るために、か？

zm「ご、ごめん、な…ほんま、ほんま…」
zm「ｯ…お願いや、…いなくならんといて」
zm「…謝ってへんねん、…やから…まだ死なんといてやぁ…」

手先が、冷たい。

───
？？時間後

「…ごほｯごほｯ…」
「…いむしつ……」

見慣れていた天井と塩素の匂い
どうやら、私は幸運にも生き残ったらしい
それより、ショッピくんは、

「い"ｯ…」

肺がいたい。…
片腕が包帯のせいで動かせない
足に関しては、両足ともやられていた
あるだけましか

仕事が出来ない、守れない

その時カーテンが雑に開かれた

「…」
tn「ｯ…、」

Aと目が合った。深海のように
深い深い眼差しが俺に向いた。向いてくれた

tn「よか、ｯた…！」
「いｯ」

トントン様に、抱きつかれ傷が開く
音がする。止められないのは、何故だろう

自分から、無能になったのに
なんで抱きつかれてることを拒めないんだろう

ほんと、中途半端

嫌になる

tn「よがっだ、よがっだ…！」
「…私は、無能ですよ。見られたらダメだと」
tn「ええから！ほんま、もう、ええ」

tn「お、おらんくなるのが…どれほど怖かったか…」
「…」

私の目的は、果たせなかったらしい
…水晶体が熱くなった

？「…」

───
無能になった理由は？