【d!】心まで、透明化してよ (ページ43)

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43話ページ43

gr「Aを、返せ」
？「ひｯ」

tn「…しね」
？「あぐｯ」

os「おまえら全員地獄行きやで」

？「おかしいだろ…」

三強、脅威、その他諸々というか
ほとんど全員が来ている。おかしいだろ！

たかが数百人の中規模なんだぞ！？

瞬く間に俺らの施設は戦車で蹂躙され
捕虜も取らずにもれなく全員が物理的に
燃えつきた

新聞の見出しには

愛する女のための戦車達

と数日は熱が冷めなかった

───
医務室

「…」

彼等に愛されている自覚はあった
なのにそれがデメリットだって

気づかなかった

彼らが私を愛している限り、
弱いこの女がピンチになる度に
ボロボロになって迎えに来る

この女は今回のせいでより敵にとって
格好の的になるのに。

…

変えなきゃ、私が
彼らを守らなくちゃ

彼らに、嫌われなくちゃ

「ｯ」

シーツが使い物にならないくらい
水が溢れ出す。今はどれだけ泣いてもいい

だから、

彼らに嫌われよう(無能になろう)

彼らが、正しい判断ができるように
少なくともこの状況で私を助けに来るような
バカに、ならないように

sn「A！起きたんか！、怪我は？、大丈夫か！」
zm「A！、」
tn「大丈夫か？、」
gr「…」

os「A…」

「ｯ……」

死を受け入れた体は、1呼吸置いたあと
軽蔑の眼差しを向けて言い放った

「…なんで、助けに来たんですか。」
「…あ、あなたたちは、色々足りないから
来てもそんなふうにボロボロに、なるんですよ。」

「…助けられない方が、よかった。」

「…だ、いっきらい。」

──
廊下

zm「なぁ、…なんであんな事ゆったん」
zm「みんな傷ついてたで。必死に、頑張ったのに」

「…貴方に関係ないです。」

zm「なぁ、何か隠しとるんやろ…。Aはんなこと言わん」
zm「言え。今なら、許したる…から…」

「…」

嘘というのは、吐き続けると慣れるらしい
彼の涙を見ても異物をみる眼差しで

「…言っても、貴方の頭じゃ無能の言葉なんて理解できませんよ。」
zm「……あ"？」

「…時間の無駄です。仕事に戻ります。」

これでよかった

仕事をしないフリをして、
酷い言葉ばっか言って

そして、そして、

嫌われてしまえば

私に何かあったとき彼らは

《あいつを捨てよう》と

判断できる

それがひ弱な女ができる

彼らを守れる唯一の方法なんだ