【d!】心まで、透明化してよ (ページ47)

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47話※ ページ47

sn「あと………数日はかかるね」
gr「わかったぞ。その間俺が運転手になろう」

「…結構です」

さっさと食べ終わろう

彼らの話も聞かないふりをして
箸を進める。隣で彼が笑っている気がした

rbr「…」

Aが食っとる。生きてる
いつもモニターで見ているのに、
生でみると頭の中がぐわんと揺れた

きっと顔布の下は酷い顔なんやろうな

───
廊下

「…」

ちる「…」

「…？」

ちるが、どこかに行った。
ただならぬ表情で、小走りに
でもこの先には何も無い。

何となく、そっちに足を進めてみた
よくちゃんと考えれば、車椅子の私なんて

敵にとって滑稽の的になること
わかっていたのに。

───
倉庫内

ちる「…」

「…」

何の通信機器だろ。我々国産ではない
何故部屋の電気を付けない？、
個人の電話ならここじゃなくても

ちる「はい、こちらちるです」

「！…」

初めて聞いた彼女の真っ黒な声
あの乙女の顔のちるとは思えない。

何故なら
そこに居るのは、私を、私たちを騙した

《スパイ》の顔をしたバケモノだったから

ちる「はい。順調です。
Aの治療はまだ数日かかる」
ちる「…最近、幹部がAを許してる
風潮が見受けられる」

ちる「攻めるなら、今のうちが最適」
ちる「完全に戻ったら、危ない」

ちる「とりあえず、今度私があいつを殺す」
ちる「…監視カメラは大丈夫」

ちる「ロボロは、盲目だから」
ちる「監視カメラの死角に気づかない」

ちる「それじゃ、また」

「…」

つた、えなきゃ

混乱した頭は自分の足が不自由というのも
忘れて思いっきり振り返ろうとした

ガン

壁と車椅子がぶつかった音。
その爆音に気づいたのは二人いた

私は、逃げた。全速力で腕を回して
誰かの所に向かおうとした

けど、人間の足には勝てなくて

ちる「A先輩っ、お話があります！」
ちる「こっちでガールズトークしましょっかーー？？」

「ひ、あ、」

死を、受け入れるのはこれで
3回目だ

───
？？時間後

rbr「…」

Aが部屋にも、どこにもいない
監視カメラに映らない恐怖。焦り

どれだけカメラを回しても見つからない
彼女の存在に、手先が怯えだした

…そして、ちるもいない

2人に何かあったのか？

rbr「…俺が、いくしかない」

椅子から降りた背の低いおとこは、
懐に短剣を忍ばせ、

監視室の殻を破った