【d!】心まで、透明化してよ (ページ49)

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49話ページ49

rbr「ごめんなぁ…、ほんま、」
rbr「俺は、いっつも見てきたのに、見てんのに」
rbr「た、たすけて、やれへんくて、」

rbr「ご、めんな、ざい…」
「…大丈夫、です。無能なので、」
「それより、いｯ……」

「スパイが、あいつが、」
rbr「…」

知ってる。

やって

ちるがいなくなったんやから。

ちるがいなくなった
ちるの精鋭は、特殊な薬を飲まされていた
ことを明かした。彼女は目を真っ黒にさせて
暫く間を置いたあと

「あれは…私が殺します」
「……許せない」

rbr「…」

初めて見たAの確かな怒り
仏も眠る優しさのAの怒り

何となく、ちるはAに
殺されんやろうなと察した

…それは、いいとして
そんなことより

rbr「…また、守れなくて、傷つけてごめん」
「…大丈夫ですから、これくらい」

「…無能だしrbr「お前は、無能やない」
rbr「もう二度とそんな言葉言わんといて」
「…」

なんで、そんなこと言うんだろ
大っ嫌いじゃなかったの？

rbr「…Aは、しばらく常に誰かとおって」
rbr「またちるに狙われるかもしれへん」

「…」

それが嫌だから、無能になったんだよ
そんなふうに煩わせたくなかったから

私は、ロボロ様に効率的な方法を教えた
彼は目を点にしたあと額まで真っ赤にして

rbr「ふざけんな」

「ｯ」

彼が、私をつよく抱きしめた。
そういう経験がない彼がするなんて予想外
……泣かないでよ

rbr「…お前は、大切なんや、やから…やから…」
rbr「…もう自分を囮にしようとか、禁止やで」

rbr「お願い…頼むから…」
rbr「Aを、失うのは、ほんま勘弁や…」

「…それが嫌で、無能になったんですよ」
「…毒も飲んできました」

「…私の努力をなしにしろって言うんですか？」

rbr「せやで」
rbr「Aの血が1滴もなくしたくあらへん」

rbr「…」
rbr「無能になった理由は、わかっとる」
rbr「…やけど助けないなんて無理や」

「…」

疲れてきた。少し、眠ってもいいかもしれない
彼が何かを説明する間に目を瞑る。丁度いい
子守唄になって、気分が良くなった

rbr「…、眠ったんやな、
rbr「…Aを、見殺しにはできひん」

rbr「…国のためになんて、嘘や。兵士も俺らも愛する人のために戦うねん」

rbr「…その愛せる人が、消えるのなんて
耐えられるわけが無いやろ」