あの爆弾魔に終止符を。【d！】 (ページ2)

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瓦礫2 ページ2

ht「そっか、Aもグルちゃんに勧誘されてここ入ったんだ」
『ひとらんさんも勧誘されたんですか？』
ht「前と同じ呼び名でいいよ。俺は勧誘する側…だったな」

勧誘する側と言うと…なるほど？グルッペンの幼馴染だろうか。前世と違って関係性がわからない分、彼らがどのような立ち位置で関わりを持っているのか把握しきれていない所がある。まぁ、それもあまり興味はないのだが

ひとらんはここに留まるのは危ないからと言って、エーミールさんの元まで送ってくれると申し出てくれた。せっかくの再会を拒否するほど野暮な人間でもないので、ありがたく甘えておこう。道中備え付けの自販機で飲み物を奢ってくれるひとらんは、相変わらず優しいと思う

二人で自販機の前の壁に背中を預けて駄弁っていると、どこからともなくガッシャーン！と何かが割れる音や倒れる音が聞こえてくる。なんの音！？

あまりの爆音に目を丸くして辺りを見渡して居ると、その様子を見たひとらんがさも当然というように口を開いた

ht「あぁ、多分客の暴動だから気にしないでいいよ。トントンが対処してるだろうし」

きっと私を安心させる為に言ったのだろうが、その屈託のない笑顔に身震いしてしまう。客が暴動を起こすって何事なんだ、というかトントンさんが対処してるって彼は警備員かなんかなのか

グルグルと疑問が浮かんでは消えていく。しかしそれを聞こうにも何となく目の前のひとらんが怖く感じて仕方ない。ここは何も聞か無かったことに……

ht「ほら、自営業してるとどうしても恨みみたいなの買いやすいみたいでさ。さっき暴れてたオッサンもその一人なんだよね」

おぉ神よ、私は今世でも人の恨みを買うような職につかなければならないのですか

ただでさえ前世で爆弾魔という無条件に恨みを買うようなことをしでかしているというのに、それを上塗りするような職に就いてしまっているとは。本格的に過去の自分を殴りに行きたい。冷静になって職探ししろと、説教を付けて

『身の安全より、危険の方が高まった気が……』
ht「んふ、Aちゃん命狙われてるんだもんね。でもここで働いている限り、その辺で働くよりよっぽど安全だよ」
『守ってくれるんですよね…』
ht「一応ね。手の届く範囲に居てくれれば夜道で後ろから刺されるなんてこともないだろうしさ」

そう言って手元の缶コーヒーを飲み干すと、そろそろ行こうかと手招きされる。
……ナチュラルに脅すような発言をするんじゃないよ。笑顔だったら何言ってもいいわけじゃないんだぞ