あの爆弾魔に終止符を。【d！】 (ページ14)

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:8,936 hit

瓦礫14 ページ14

＿

tn「それじゃあ軽く準備運動してもろて、それから軽く基礎教えるな」
rbr「はーい先生」
『はーい、お願いします』

トントンに案内されたのは、置かれている物が少ない一室。トントン曰く、広い場所で訓練しても行動範囲が限られてる場所では応用しずらいとのこと。案外考えて訓練していることに驚きだが、それ以前に職場で訓練ってなんなんだ、普通やらないだろ。

そして何故か隣にいるのは、いい笑顔を浮かべながらストレッチを始めているロボロ。どこから聞きつけたのか、訓練という名のトレーニングをすると知って気がついたら隣に居た。

トントンさんに何故ここにいるか聞いてみたものの、彼も分からないらしい。ロボロは筋トレが趣味だとは知っていたが、そこまでして運動したいとは思ってもみなかった。

ロボロはある程度仕事も落ち着いたし、息抜きにきたと言っていたが…しっかりと動きやすい服に着替えてきている辺り、用意周到な男だと思う。

『トントンさんはここで警備員でもしてるんですか？前も変な客対応してたらしいですし』
rbr「あー、なんつったらええんかな。一応警備員は雇っとるんやけど、トントンの方が腕も弁も立つから、ホンマにやばいやつ来たら駆り出されてる感じやな」
『ここでも苦労人やってるんですね』
tn「なんで今鼻で笑ったん？」

柔軟体操をしながらロボロと話していると、背後から軽く頭にチョップを喰らう。不意打ちは良くないと抗議するが、軽く流されてしまった。

悔しいことに、私と彼らの距離は日に日に近づいてしまっている。それなりに働きやすいいい職場ではあるが、私の勝手なプライドから彼らとはできるだけ距離を空けていたいと思っていたのに。

そんな水の泡となってしまった計画に想いを馳せながら、柔軟体操をこなしていく。驚いたことに私とトントンさんは先ほどまでと何ひとつ変わらない服装で自衛訓練の準備をしている。

社長が言うには、実際狙われるとしたら帰宅中や就業時間だろう。どうせAの事だから休日は余程緊急の予定が無い限り外に出なさそうやし、できる限り実践に近い状況でやった方が効率がいいだろう、とのこと。

実際社長の言うことは正しいのだが、私の休日スタイルを勝手に語られたのは少し気に食わない。八割事実なのも含めて複雑な気持ちになったのは仕方のないことだろう。

tn「まぁ、言うてそんな難しい事はないから…肩の力抜いてな」
rbr「動きのサポートなら任せな」
『お手柔らかにお願いします』