瓦礫15 ページ15
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tn「まずは簡単に腕掴まれた時の対処法から」
『あぁ、腕を内側に向けて大きく縁を描くやつですよね』
tn「ん？腕掴まれる時は大体背後からやし…腰に凶器当てられるから、今回はそっちやね」
なるほど、今回は思った以上にバイオレンスな方を教えてくれるらしい。
腕を掴まれてさらには凶器を突きつけられている状況に遭遇したことがないからわからないのだが、それはもう抵抗の余地無く諦めて終わりではないのだろうか
あまりにも現実離れした前提条件に、それは日本国内で起きる可能性があるパターンなのか聞きたくなる。しかも日常生活で。
rbr「Aはまだ実害出るタイプの事件には巻き込まれてないやんな？ここで覚えとったら後々便利になるで」
tn「便利かどうかはわからんけど、逃げれる隙は作れるからな」
トントンとロボロが簡単に動きを再現してくれているが、咄嗟にその動きができるとは思えない。実際そんな現場に遭遇したら、体が固まって頭も真っ白になりそうだ。
トントンに教えられながら一連の流れを見様見真似でやってみるが、練習相手のロボロが先ほどから力加減をしてくれてない。お前これ訓練だから少しくらいは妥協してくれよ
rbr「え、待って？Aこれほんまに力入れとる…？」
『入れてるはずなんですけどね…！』
rbr「やばいトントン！コイツ思った以上に筋肉ないで！？」
背後で声を上げるロボロ。相変わらず声量が大きいから、すぐ近くで声を上げられると耳が痛い。慌てた様子で私の腕を離してくれたが、いかんせん力が強いせいで手首が痛む。
離された手首をさすりながらロボロを見ると、人に向ける視線ではないようなものをこちらに向けてきている。なんだその目は、お前が掴んできたんだろ…
tn「分かるでロボロ…今のAマジで筋肉ないから気をつけなあかん…」
rbr「怖…俺気ぃ抜いたら折ってまうかもしらん」
『マジでやめてください』
ロボロの力を知っている身からしたら洒落にならないから本当に怖い、あいつならやりかねないと言う恐怖がある。
とりあえずトントンが私にも対応しやすい力で教えてくれるらしいが、トントンも私より体格がいいから力加減してくれるか不安だ…。
tn「取り敢えず一連の流れだけ掴んでもらうか」
『じゃあ掴んでもらって…あの、トントンさん？』
tn「え、なんすか」
私が腕を差し出すと、どこか驚いたように優しく握ってくるトントン。手を繋ごうとして差し出したわけじゃないから、どちらかといえば私の方が困惑してるんだが…？？
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作者名：どどまる | 作成日時：2023年7月8日 2時
